不動産査定|「路線価」と「実勢価格」調べ方や計算方法

不動産査定において、「路線価」と「実勢価格」というのが大きな決め手になります。専門業者でないと馴染みにくい言葉ですが、これらは土地の価格を決めるためにある5つの指標のうちの2つです。ここでは、路線価と実勢価格の意味や調べ方、計算方法について解説します。

路線価と実勢価格とはどういう価格のことか

まずは5つの指標のうちのもう一つ、公示地価について説明します。公示地価は、土地売買の目安となる価格を国土交通省が発表するものです。全国に標準値が設けられていて、調べ方としては毎年1月1日に複数の不動産鑑定士が鑑定をして審議された価格に基づいて決めるというものです。

路線価というのは、相続税や贈与税の基準となる価格のことで国税庁が発表されます。相続税と固定資産税や都市計画税を算出する時に使われ、毎年1月1日を評価時点としています。道路に面する標準的な宅地の1㎡の価格を示したもので、この路線価が決められている地域では土地の価格を評価するときに用いられます。相続税路線価は公示価格の8割程度で、固定資産税路線価は7割程度の金額になります。

次に実勢価格ですが、不動産査定をして売値を決めた売値ではなく実際に売れた時の価格のことを指します。実際に売れる時の価格は売値よりも下げてほしいなどと当事者同士で話し合うので、初めから決まった額ではありません。

路線価と実勢価格の違いと計算方法

路線価は毎年1月1日現在に評価されて7月ごろ公表されるものなので、全国の不動産業者も業者以外の人でも知ることができる決まった価格です。自治体が固定資産税を決める時や不動産査定において、公示価格や路線価を参考に査定され、売りだし価格を決めるもとになります。

一方実勢価格は、実際に売却されたときの価格なので、売りだし価格と異なる場合がほとんどです。それに実際の売却価格ははじめから決まっているものではなく、売買の当事者が話し合って決めるものなので結果しかわかりません。路線価と実勢価格はどちらも不動産査定の指標となるものですが、このような違いがあるのです。

さて路線価や実勢価格の計算方法ですが、相続路線価は国土交通省が発表する1㎡の価格つまり路線価に土地の面積をかけて、さらに補正率をかけて計算をします。補正率は奥行きや間口狭小など土地の状態によって7つほど項目があり、それぞれ決められた表が決められています。

実勢価格の計算法は路線価をもとにし、路線価で決めた土地の評価額を0.8で割ってから1.1または1.2をかけます。0.8で割るというのは路線価が公示価格の8割であることと、実勢価格が公示価格の1.1倍から1.2倍になることが多いからです。

不動産査定の指標となる路線価と実勢価格

不動産査定は5つの指標をもとに行われ、毎年1月1日に調べる公示価格と路線価、それに実勢価格が指標のうちの3つです。公示価格の調べ方は、不動産鑑定の専門家が複数人で決められた標準地を鑑定します。実勢価格は実際に売却をした価格で結果としてわかるものですが、路線をもとにおよその実勢価格を計算することは可能です。